~ピラティスで「歩く」ということを解く~
ピラティスの動きは、身体のある一部分の動きを止めて、他の関節の動きを引き出すというようなエクササイズが多いです。
例えば、体幹や骨盤は安定させて動かさないことで、股関節の円運動を行う「レッグサークルズ」や肩関節の動きを引き出す「アームサークルズ」などのエクササイズなどはわかりやすいかもしれません。
ただ、歩行動作となると、様々な関節が関係してきます。主に、下半身では、骨盤・股関節・膝関節・足関節、上半身では、肩関節・肘関節など。つまり、全身の運動であり、当たり前のように日頃行っていますが、動きとしては「複雑」であるといっても間違いではないでしょう。
歩く際には、かかとの中央やや外側に荷重がかかり、そこから外側を通って、拇趾から荷重が抜けます。脚を前に振って踵をつけるころには、お尻の筋肉(大殿筋)が働き始め、片足では中臀筋も働きます。さらに、つま先で地面をプッシュする際には、ふくらはぎの筋肉が強く働きます。
もちろん、人によって差はありますが、左右への移動は、片サイド2cmずつで両サイド4cm。上下への移動は5cmほどあると言われています。歩幅は72cmほどあると良いと言われています。
歩く際には、骨盤(左右合計8°)・骨盤と股関節(相対的に左右合計8°)・股関節と下腿(相対的に左右合計9°)捻じれる動きがあります。よって、全て合わせると、左右合計25°捻じれる動きがあります。この捻じれる動きがなくなると、人は左右に身体を振って歩き始めると言われています。
歩行が、複雑な動きである分、人によって、うまく使えている部分と使えていない部分があるのが当然です。それを改善する為には、まずは一つ一つの動きをかみ砕いてシンプルにしたピラティスから初めていきます。
コントロールができるようになってから、複雑な動きが求められるようなピラティスをやっていくことで、意識しなくても身体が正しく使えるようになっていきます。
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