呼吸解剖学×ピラティス

〜呼吸の解剖学を深めて、ピラティスを効率的に行う〜

今回は、呼吸筋で最も大切だと言われている横隔膜を中心に、呼吸の解剖学のお話をしてきます。

 まず、横隔膜は上の図のようにドーム状になっています。大切な3つのアーチは、「舌」「横隔膜」「足底」と言われています。
このアーチ(ドーム型)をイメージできるようになるだけでもピラティスで動くときや呼吸しているときのイメージ・身体の感覚が変わってきます。

 横隔膜が付いている位置をイメージできるようにしておきましょう。
横隔膜の上の部分は肺に繋がっており、ドームの中心に腱中心というものがあり、腱中心は心臓に繋がっています。腱中心から下へ外へとアーチ状になっており、下方へ伸びた横隔膜は腰椎の前面へ、下へ外へ伸びた横隔膜は7〜12番の肋骨内側に繋がっています。つまり、アーチは床に対して平行ではないということですね。もちろん垂直でもありません。

 肺自体は、自動的に動くことができないため、呼吸において横隔膜は重要な筋肉と言えます。
横隔膜の解剖学となると、ピラティスではインナーユニットに特に注目しますが、内臓・心臓との関わりが大きいのが興味深いところです。横隔膜の下に腹腔にある内臓があるため、内臓の位置と関係していること。横隔膜は心臓に繋がっており、横隔膜が正しく収縮し、横隔膜が下へ下がることで肺が下方へ拡がることができ、その際に、肺の間にある心臓が肺によりマッサージされる形になるのです。

 ピラティスで呼吸筋を鍛えることが、内臓の位置を整えるというのは聞いたことがある方もいるかもしれないですが、心臓をよりマッサージしてくれるというのは初耳の方も多いかもしれません。

呼吸を学びたい、ピラティスを学びたいという方は、ぜひレッスンや養成コースをご受講ください!

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    X脚・O脚をピラティスで改善する

    ~ピラティスで、全身のムーブメントを改善し、X脚・O脚を改善する~

    前提として、脚は元々、”軽度X脚ぎみ”が正常です。
    大腿骨(もも)と脛骨(すね)のアングルを大腿脛骨角(FTA=Femorotibial angle)と言いますが、その角度が175°程度が正常です。FTAが180°以上になると、O脚になります。つまり、ももとすねのラインがまっすぐだと既にO脚であるということです。FTAが、165°以下になるとX脚となります。
    Q角(膝中央から床へ垂直に線を引いたとき、ASIS-腸骨の前にあるボコッとでっぱっている骨~膝中央のラインへの角度)は、10°~15°程度が正常。15°を超えると異常となります。

    現場で見ていると、O脚のお客様より”XO脚”のお客様が圧倒的に多いです。股関節は内旋(内股)になっており、膝から下(すね)はO脚になっています。
    また多くの方は、反張膝も伴います。反張膝とは、横から見たときに、すねのラインに対して、もものラインが10度以上、前に傾いている状態です。膝が伸びきって反っている状態です。基本的には、膝の伸展は最大が0°が正常です。

    O脚・X脚を改善するには、全体の姿勢や全身のムーブメントを改善することが必要です。足関節・膝関節・股関節を連動させて動かしていく必要性がありますが、脚の使い方のみを改善しようとしても、コアが正しく働いていないとどうしてもうまく連動していきません。

    O脚の方の特徴としては、足部は外側荷重になりやすく、脚の外側にテンションを掛けて立っています。逆にX脚の方は、股関節も内股・すね(膝下)も内巻になり、内側荷重になりやすいですが、殿筋(お尻の筋肉)が上手く働いていないので、偏平足も併発しやすいです。どちらも床についている足部から、うまくエネルギーをコアに伝えられていないため、コアの弱化も見られることが多いです。逆のことも言えて、コアが弱化していることが原因で、股関節・膝関節・足関節の連動ができていません。

    ピラティスエクササイズでは、コアからの連動(OKC)・足部からの連動(CKC)の2つを行っていきます。特にマシンを使うとそれが効果的にできるため、O脚・X脚の改善を効率的に行っていくことができます。もともとの骨格は改善できませんが、放っておくとよりO脚・X脚が進行してしまいます。エクササイズをして予防・改善しておくことが大切です。

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      ピラティス×足底腱膜

      ピラティスで足底腱膜の機能を取り戻す

      足底腱膜は、名前のとおり、足底についています。足のアーチを「弓のさお」とすれば、足底腱膜は「弓の弦」であると言われています。前足部と後足部を連結し、荷重がかかりアーチが崩れるのを防ぎ、荷重を分散させます。

      歩いたり走ったりする際、地面を蹴りだす動作(プッシュオフ)の際には、足底腱膜がより緊張し、アーチを高くします。それによって、前に押し出すために必要な硬い構造を作りだします。

      足底腱膜の柔軟性が低下すると、牽引力が増加し、かかと部分に痛み (足底腱膜炎) がでることがあります。

      また、歩行時や走行時、足底腱膜に張力がかかる際には、アキレス腱にも張力がかかります。アキレス腱や下腿三頭筋の柔軟性や筋力をつけることで、足底腱膜の牽引力を低下させ、機能を取り戻すことにつながります。

      足底腱膜炎の症状がでる方は、偏平足であったり、過度に甲高である場合が多いです。
      MP関節で正しく背屈ができ、正しく足関節で底屈できるようにピラティスのリフォーマーを使ったフットワーク等のエクササイズを行うことで、足底腱膜の機能を取り戻すことができるでしょう。

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        ピラティス×背骨(首の骨)

        ~ピラティスでストレートネックを改善する~

        首の骨は、正常な状態では30~35°反った状態(前弯)です。ストレートネックではこの前弯がなくなり30°以下になった状態のことを指します。

        スマホやパソコンの画面を長時間見ることで、首の骨(頸椎)の”反りが減る、またはなくなり”ます。首の骨の上の方は、前を見るために”過度に反っている状態”になります。

        首の骨は7つあり、上の2つは「環椎(1つ目の骨)」、「軸椎(2つ目の骨)」と呼ばれ、特徴的な形をしています。後頭と環椎の間、環椎と軸椎の間には、椎間板がなく、軸椎の突起部(歯突起)が環椎に貫通しており、その分、可動性があります。(特に捻じる動きは、50%ほどがこの環椎-軸椎関節がになっています。)

        後頭-環椎   屈曲:5° 伸展:10° 回旋:わずか 側屈:5°
        環椎-軸椎    屈曲:5°  伸展:10°  回旋: 35-40°  側屈:わずか
        頸椎2~7番 屈曲:35-40°  伸展:55-60° 回旋: 30-35° 側屈:30-35°
        合計      屈曲:45-50°  伸展:75-80°  回旋: 65-75° 側屈: 35-40°

        長時間、スマホやパソコンを見ていると、首はあまり動かさないため、首の上記のような本来の動きがでなくなってしまいます。そのため、首の筋肉がアンバランスになり、首こりや首の痛みにつながります。

        特に体幹(腰部)を安定させ、胸部と首の骨を連動させて動かすようなエクササイズを行うと、ストレートネックや猫背の改善になり、本来の首の動きが出せるようになっていきます。

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          ピラティス×肋骨

          ~ピラティスで胸郭(肋骨・胸椎・胸骨)の柔軟性を改善する~

          ピラティスレッスンをしている際には、肋骨の話をよくお伝えしています。
          胸郭と言われる部分は、「肋骨・胸骨・胸椎」全ての部分を指します。肋骨12本あり、前では胸骨についており、後ろでは胸椎についています。

          そもそも肋骨とは、どこにあるのかわかりますでしょうか?
          肋骨は「あばら骨」とも呼ばれますね。よくピラティスレッスンを受けてくださった方に”肋骨はどこにあるかわかりますか”と聞くと、胸の下にある部分の骨を触る方が多いですが、肋骨は「鎖骨のところから胸の下まで」の全ての部分を指します。

          肋骨の中には肺があります。肋骨の下の部分には、ドーム型になって横隔膜があります。
          息を吸う際に、横隔膜が下がり、肋骨が広がり、肺が広がる仕組みになっています。

          呼吸時、肋骨は前後左右に広がります。肋骨の上部は、縦に広がり(ポンプハンドルムーブメント)、肋骨の下部は横に広がります(バケツハンドルムーブメント)。

          ピラティスの呼吸法は、上記のような肋骨の本来の動きを引き出す呼吸法です。
          ピラティスを行って、(胸郭の回旋ができる) シーティッドツイストをしたり、(胸郭側屈ができる)マーメイドなどをすると、肋間筋の柔軟性を高めることができます。胸郭の柔軟性を高めることで、呼吸が深くなります。また、猫背の姿勢だと肋骨が固まってしまっているので、胸郭の柔軟性向上は猫背の改善にもつながります。

          ピラティス×走る

          ~ピラティスで走り方を改善する~

          「歩く」と「走る」は、確かに似ている動きであり、使う筋肉ももちろん似ていますが、使われる筋肉部分の使われるタイミングが違います。

          「歩く」と「走る」の大きな違いは、「歩く」は両脚を着く瞬間がありますが、「走る」は両脚を着く瞬間が一切ないということです。

          つまり、「走る」では、片足で体重を支え、さらに大きく地面を蹴りだして、前に進んでいきます。このことから、殿筋の活動量が増えていることが予測されます。前回の記事に書いたように、「歩く」では地面を押し出すときに、主にふくらはぎの筋肉が使用されます。「走る」でも、前に進む際に少しジャンプするような動きが入りますので、そう言った意味でも殿筋のようなより大きな筋肉を使う必要があります。(もちろん、ふくらはぎの筋肉も使用されています。)

          また、「歩く」では地面から足の距離を最小限に抑えて前に進んでいきますが、「走る」では、ももを高く上げる動作が必要になります。ももを上げる筋肉として、腸腰筋などの筋がより使用されるのも「走る」の特徴です。

          走る際は、より地面から足への衝撃は強くなるため、前回お伝えしたように足のアーチによって衝撃を吸収し、足底の弾性を利用して前に進むような動作が必要になります。足のアーチを作るためには、後脛骨筋と腓骨筋のバランスも大切です。

          ランナーズニー(腸脛靭帯炎)などの障害が起きないためにも、足底からのエネルギーをうまく股関節に伝え、殿筋を内転筋とバランスよく使うことも大切です。

          ピラティスで、ランニング動作に近い形で股関節を動かしていくと、以上のような筋肉のバランスが整っているのか身体で感じることができます。正しい動きを行うと、弱くなっているところがどこか体験することができます。その際に、体幹部の安定性が必要であることも感じることができるはずです。

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            ピラティス×足のアーチ

            ~ピラティスで足のアーチを作る~

            足のアーチに関して、聞いたことがある方も多いかもしれません。”土踏まず”もそのアーチの1つです。足のアーチには、「縦アーチ」「横アーチ」があります。

            「縦アーチ」のうち、内側にあるものが「土踏まず」です。また、外側にも「縦アーチ」があります。さらに、縦アーチは「指~指の付け根」「指の付け根~かかと」の2つに分けられます。

            横アーチは、「指部 (拇趾~小趾) でできる横アーチ」と「中足骨(指の手前にある骨)でできる横アーチ」の2つがあります。

            これらのアーチがあることで、歩いたり走ったりする際の衝撃を吸収することができます。

            また、人は立っている状態では、「かかと側には60%」、「中心には8%」、「前側には28%」の荷重がかかると言われています。ですので、立位姿勢では、かかと側の方へより荷重がかかった状態が理想です。

            ただ、現代人はつま先の方に体重がかかりやすく、常につま先立ちをして、ふくらはぎの筋肉が短くなった状態にあるような姿勢の方が多く見受けられます。ふくらはぎの筋肉は短くなった状態ですが、運動量も少なくあまり使用していない場合が多く、それがむくみの原因になったりもします。
            また、ふくらはぎの筋肉が短くなると、股関節付近の大きな筋肉が使われ辛くなる場合が多く、大きな筋肉が使えなくなると1日の代謝量が減ったり、お腹やもも周りがたるみやるくなったりします。

            足への荷重のかけ方やふくらはぎなどの筋肉が正しく使えていない状態は、足のアーチもなくなる場合がほとんどです。これらはピラティスで正しく体幹や足関節の使った運動を行うことで、元の状態に改善していくことができます。

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              ピラティス×歩く

              ~ピラティスで「歩く」ということを解く~

              ピラティスの動きは、身体のある一部分の動きを止めて、他の関節の動きを引き出すというようなエクササイズが多いです。
              例えば、体幹や骨盤は安定させて動かさないことで、股関節の円運動を行う「レッグサークルズ」や肩関節の動きを引き出す「アームサークルズ」などのエクササイズなどはわかりやすいかもしれません。

              ただ、歩行動作となると、様々な関節が関係してきます。主に、下半身では、骨盤・股関節・膝関節・足関節、上半身では、肩関節・肘関節など。つまり、全身の運動であり、当たり前のように日頃行っていますが、動きとしては「複雑」であるといっても間違いではないでしょう。

              歩く際には、かかとの中央やや外側に荷重がかかり、そこから外側を通って、拇趾から荷重が抜けます。脚を前に振って踵をつけるころには、お尻の筋肉(大殿筋)が働き始め、片足では中臀筋も働きます。さらに、つま先で地面をプッシュする際には、ふくらはぎの筋肉が強く働きます。

              もちろん、人によって差はありますが、左右への移動は、片サイド2cmずつで両サイド4cm。上下への移動は5cmほどあると言われています。歩幅は72cmほどあると良いと言われています。

              歩く際には、骨盤(左右合計8°)・骨盤と股関節(相対的に左右合計8°)・股関節と下腿(相対的に左右合計9°)捻じれる動きがあります。よって、全て合わせると、左右合計25°捻じれる動きがあります。この捻じれる動きがなくなると、人は左右に身体を振って歩き始めると言われています。

              歩行が、複雑な動きである分、人によって、うまく使えている部分と使えていない部分があるのが当然です。それを改善する為には、まずは一つ一つの動きをかみ砕いてシンプルにしたピラティスから初めていきます。
              コントロールができるようになってから、複雑な動きが求められるようなピラティスをやっていくことで、意識しなくても身体が正しく使えるようになっていきます。

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                ピラティス×股関節

                ~ピラティスで股関節の動きを良くする~

                股関節は、骨盤にある窪み( 寛骨臼 )に、脚の骨(大腿骨)がはまっています。
                股関節の場合は、大腿骨頭の5分の4は寛骨臼に覆われていることからも、前回お伝えした肩関節より、安定性のある関節であることがわかると思います。
                体幹の重さを支える為に安定性がありながらも、二足歩行の人間にとっては特に股関節での可動性はとても重要です。

                現代人は、座っていることが長いため、股関節の前側の筋肉が短くなりやすいと言われています。逆に、股関節の後ろ側にある筋肉は長くなりやすいです。よって、長いこと座っていると、後ろ側にある筋肉である殿筋(お尻の筋肉)が使われていない状態です。
                さらに、股関節の前側の筋肉が短くなると、立位時や歩行時などでもお尻の筋肉が使われ辛くなってしまいます。

                前側の筋肉が短くなり、お尻の筋肉が使えなくなると、歩幅が狭くなったり、安定できずお尻を左右にプリプリ振って歩きます。お尻の筋肉が使えなくなると、お尻がたるみ始めるだけでなく、股関節が動かなくなると股関節を補うために、腰が動きすぎになって腰痛の原因になったりもします。

                もちろん、アウターマッスルの長さを整えることも大切ですが、股関節にはインナーマッスル(外旋六筋)があり、インナーマッスルによって股関節の正しい位置へ安定させる(求心)ことも大切です。正しい位置にあることで、より股関節に必要な安定性や可動性を得ることができます。

                ピラティスでは、股関節周辺の筋肉のバランスを整えるエクササイズがたくさんあります。左右差がある方がほとんどですが、それも改善していくことができます。

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                  ピラティス×骨盤

                  ~ピラティスで骨盤を安定させよう~

                  骨盤は、体幹と下肢(両脚)の間にあります。骨盤は、上からの大きな負荷を両脚に伝え、最終的には地面に伝達する役割があります。逆に地面からのエネルギーを体幹へ伝える役割も担っています。人間は、二足歩行ですので、特にこの骨盤での安定性が重要になります。

                  骨盤は、 骨盤輪といって、仙骨・腸骨・恥骨・坐骨で、真ん中は輪になっています。骨盤輪の後ろ側に「仙腸関節」、前側に「恥骨結合関節」という関節がありますが、可動性は少なく、 (可動性も重要ですが) 骨盤輪での安定性があることが重要になります。

                  骨盤の安定は、構造上での安定と共に、「靭帯」と「筋肉」で得られます。
                  靭帯は、 主に、前仙腸靭帯・腸腰靭帯・骨間靭帯・後仙腸靭帯などの厚く広い一連の靭帯で、安定させています。
                  筋肉は、腹筋群(腹直筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋)、背筋群(脊柱起立筋・多裂筋・広背筋)、股関節にまたがる筋肉(大腿二頭筋・大殿筋・腸骨筋・梨状筋)などの多くの筋肉での安定が必要になります。

                  ピラティスのエクササイズでは、骨盤のポジションがとても大切になります。骨盤のポジションを変えないことで、背骨の動きを引き出したり、股関節の動きを引き出すことができるようになります。

                  逆に、骨盤が安定しないと、背骨や股関節の動きを引き出すことができません。

                  また、色んな姿勢において、骨盤が安定することも大切です。ピラティスは、リハビリとして始まったこともあり、寝た状態でのエクササイズが多いです。寝た状態で骨盤が安定できるようになったら、座った状態、立った状態などでも、骨盤が安定できるようにエクササイズのレベルを少しずつ上げていくことも重要です。

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